今回、第13回日本医療秘書学会を担当させて頂きますことは、聖マリアンナ医科大学・形成外科学・幹細胞再生医学講座にとりまして大変名誉なことと感謝申し上げます。また、本学会の開催にあたりまして多くの学会関係者の方々ならびに関係各位から多大な御尽力を賜り、主催者として御礼申し上げる次第でございます。
本学会は、「医療の未来を切り開く」〜メディカルスタッフとしての参画〜をメインテーマと致しました。
学会創設者の日野原重明・聖路加国際病院・名誉院長による「医療の未来はどうなるか―変わってくる最新の医療の中での医療秘書の新しい役割―」と題する基調講演を始めとし、シンポジウムとして「医療機関のスタッフが将来の夢を語る」など、随所にこれまでの事務スタッフとしての立場からは異なった視点での講演が企画されております。
私たちは、ともすれば診療に関わる医療スタッフと事務スタッフとの間には見えない垣根が存在しているような錯覚にとらわれていました。東日本大震災、近年頻発する未曾有な災害などを経験するに、極限環境におかれた私たちは、事務スタッフのすぐれた職能が、災害医療を円滑に進めるための重要な要になっていることを認識し、もはやチーム医療の重要な一員としての職能の発揮が期待されております。
この度の学会は、学会員皆様の患者さんに対する新たな関わり方の一助、病院運営の一助になるものと確信致しております。
本学会は、病院職員の皆様そして医療事務関係教職員の皆様、さらには学生も積極的に参加できる横断的な学会です。運営にも今回は新たな工夫を加え、社会人の皆様すなわちプロフェッショナルのセッションと、これから巣立つ学生の揺籃となるべく学生セッションと明確に住み分けを試み、ポスターセッションでのじっくりとした質疑応答、プロの皆様の講演におけるハイレベルの口頭発表と致しました。
シンポジウムではご発表いただける先生方の高いレベルでの情報交換の場は、皆様のさらなるスキルアップに加え、学生に対して大きなインパクトを与える事でしょう。
今回の学会では、基調講演、シンポジウム、教育講演、一般演題を含め23演題と多数の演題をお寄せいただき学会主催者として厚く御礼申し上げます。
また、併せて講演、座長、司会をお引き受け下さいました方々のご協力とご厚情に深謝申し上げます。
第13回日本医療秘書学会
大会長 井上 肇