日本医療秘書学会第10回学術大会の開催にあたって
浮舟 邦彦
日本医療秘書学会第10回学術大会会長
学校法人大阪滋慶学園 理事長
医療秘書に関する研究と会員の研鑚の場として開催されてきた日本医療秘書学会の学術大会も本年のテーマ「医療秘書が実現する医療機能の効率化」をもって、10年目を迎えることができました。ひとえに学会会長の日野原重明先生をはじめ、多くの学会関係者の皆さまのご尽力の賜物と御礼申し上げます。
思えばこの10年、医療秘書を取り巻く環境は大きく変化してきました。医学・医療の分野はすさまじい進歩と共に専門化、高度化しています。そうした中、医師を中心として様々な医療スタッフが力を合わせる「チーム医療」が求められています。特に3.11以降、被災地支援や、いつ起きるか分からない震災への対応などの課題を抱えながら地域医療連携への取り組みも加速しつつあります。
当然、チームの一員として、地域医療連携の推進役として、医療秘書は重要な要員となってきます。こうした要請にこたえるためにも、教育機関に携わるものとして、医学・医療の知識はもとより、高い事務処理能力と良質な医療サービスを患者・家族の皆様に提供できるマインドを持った医療秘書を送り出していくことが責務と考えています。同時に生涯学習の立場から当学会のメンバーとしてそれぞれが研究やケーススタディを発表し、自ら研鑚することが大切だと思います。
本学会がそうした中、満101歳を迎えられた日野原先生から『Team Based Learning(T.B.L)の中での医療秘書の役割』と題して基調講演をやっていただけることは、未来輝く学生諸君はもとより我々学会関係者一同にとりましてこの上なき幸せといえます。
また、谷口太先生に座長をお願いしてのパネルディスカッション『医療サービスの多様化と医療秘書の役割』もこれからの10年を睨んでいかなる提言をいただけるか、発表いただく一般演題24題とともに大いに楽しみとするところです。
最後になりましたが、記念すべき学術大会が皆様にとりまして実りあるものになることを祈念するとともに、実施に向けてご尽力いただいている準備委員の皆様、並びに運営委員の皆様に心から厚く御礼を申し上げます。